一人一社会社を経営してみた家族の話

一部上場企業の社長である父親を筆頭に、家族5人全員がそれぞれの会社を経営するヘンテコな家族の日々

一部上場企業の社長ってこんな生活をしているんだよ

私の父は数千人を抱える一部上場企業の社長である。

このクラスの人がどんなに贅沢で、どんなすごい生活をしているのか気になる人もいると思うので、とりあえず書いてみる。

 

事前に言っておくが、最近世の中を騒がせまくっている、日産のゴーンのようなスゴさはない。あのクラスは上場企業の中でもトップ中のトップなので。

 

とはいえ私の父も2,130社(2019年1月4日時点)しかない一部上場企業の社長の一人ではあるので、すごい人っちゃすごい人だとは思います。

 

※ってかこの記事そこそこアクセスあるので、情報更新しました。

 

 

仕事はこんな感じ

朝は6時にドライバーが家に迎えに来る。ドライバーは社長一人につき二人いて父のスケジュールに合わせてシフトを組んである。エグゼグティブの人達に向けて訓練されているドライバーさんなので、朝はどんなに寒くてもちゃんとしたスーツを来て、自宅の前で車の前に立って待っている。世の中にはドライバーさんを抱えている人はいくらでもいるが、なんとなくドライバーさんの佇まいを見ていると、中に乗っている人のレベル感が分かる。

 

車はレクサスのLS。私は車には詳しくないのでよく分からないが、色々とカスタムしてあるらしい。車好きの運転手さんがその車のスゴさについて、猛烈に私に語って来たので、多分すごい。実際に私も一度だけ乗せてもらったことがあるが、確かに乗り心地はハンパない。

 

日中はどんな仕事をしているのか知らないが、秘書は二人いるらしい。とりあえず世界中に謝りに行く仕事だと父は言っている。世界中で起きるトラブルの火消し役なんですかね?そりゃあわざわざ日本から社長が出ていけば、許してやるかってなるよね。謝るだけではないとは思うけど。守秘義務があるだろうから父は仕事のことは家族にも全くと言っていいほど話さない。情報によってはインサイダーとかにもなっちゃうもんね。

 

帰りは会食があれば遅いが、特に何もなければ20時ぐらいに帰ってくることもある。社長は孤独と言われるが、確かに父が社長になってから早く帰ってくる日が増えた。社長になる前は30年以上深夜12時前に帰ってきている日はほとんどなかった。会食相手はたまに教えてくれるけど、有名な人の名前がよく出てくる。どっかの国の大統領と対談した時とかはさすがに父も多少興奮してたかなー。会食じゃなくてパーティとかだと安部総理とかそのレベルの人たちと一緒にご飯食べたとかそういう話は聞く。

 

一ヶ月に1回ぐらいは海外出張がある。すべて機中泊で4日で数カ国を回り世界一周するスケジュールで動くこともある。社長になる前は年に200日以上出張している年もあった。多少治安の悪い国に行く時は防弾ガラスの装甲車をチャーターする。出張が減ったとはいえ、土日も接待ゴルフや冠婚葬祭、移動などで潰れることも多く、間違いなく週6日以上は働いている。

 

 

プライベートはこんな感じ

お金は間違いなく普通の人よりは持っている。父の出世(給与の増加)を見てきた私としては、年収1-2千万円ぐらいの頃はお金持ちという感じは一切受けなかった。やはり年収3千万円ぐらいを超えてこないと端から見てお金持ちだなという感じにはならないようだ。世間では年収1千万円を高所得者として見ているようだか、やはり税金も考えるとその所得では自由に使えるお金は少ないと思う。

 

私の父はお金は持っているだろうが、金使いは決して荒くはないし、私たち子供にもお金や高級な物をくれるようなアホなことは一切ない。むしろ普通の家庭より子供たちに何もしてくれない。自分で苦労して偉くなったからかもしれない。

 

では何にお金を使っているのかというと、思い当たるのは車と家と身につけるものぐらいだろうか。やはり社員の方達に出世するとこうなれるんだという憧れを抱いてもらわないといけない為、多少良い車やスーツや時計は身につけておかないといけないらしい。それ以外で大きなお金が動くのは節税目的での保険や不動産投資をするぐらいだろうか。

 

食事なども会食疲れをしている為、高級料理は好まない。近所のスーパーで買い物をして普通の家庭料理を食べている。

 

ちなみに一代で一部上場した企業の社長さんの家にも遊びに行ったことがあるが、そういう人は私の父なんかよりはるかに上である。広尾の一等地に住んでおり、玄関を入るとなんのスペースだよこれ?ダンスフロアか?っていうようなスペースがあり、ウォークインのワインセラーにはハンパじゃない数の高級なシャンパンやワインがあって、好きなもの飲みなって言われる。

家には魚屋さんが毎日その日の一番新鮮なものを届けてくれるらしく、一緒にご馳走になったが、やたら美味かったのを覚えている。

 

 

上場企業の社長になるメリットは何か

あくまでも息子の目線からだが父が社長で良かったと思える点は、季節ごとの贈り物が非常に多いことだ。人は偉くなると不思議なものでいろんな人から贈り物をもらえるようになる。なので家にはいつもお歳暮やら暑中見舞いやらなんやらで、まず自分では買わないであろう高級な果物や乾物が揃っている。そういう時期だけは一日中宅急便のお兄ちゃんの対応をしなければならないので大変ではあるが。宅急便のお兄さんもこいつん家なんの業者だよって思っているかもしれないが。

 

それ以外のメリットはそんなに無いような気がする。

父は何千人の社員の人生を背負っているという覚悟で仕事にも望んでいる為、その責任は重く、社会人生活の全てを非常にハードに過ごしてきているし、家族で国内外含め凄まじい数の転勤を繰り返し、息子の私は父と遊んだ記憶は数えるぐらいしかない。

 

その結果得られるメリットといえば、普通の人より裕福な生活(と言ってもお金持ちになっても多少良い家と良い車を買うぐらいしかほとんどの人はやることは無い)と多少の権威と経済界で有名な人たちと会食ができるぐらいだろう。

 

株主総会の時期などは凄まじく分厚い想定問答集を二週間ぐらいかけて丸暗記していた。そういう時期は自宅に脅迫文などがくることもあるし、なかなか普通ではない経験ができるという意味では良いかもしれないが。笑

 

ということで、一部上場企業の社長さんってみんなが思い描くほどいいものではないような気がするっていう話でした。